かなりギリギリで間に合った。

「ならんでー」
まわし手の人がみんなをまとめている

この学校では、長繩二人跳びといって二人づつで長繩を跳んでいき、
3分間にどれだけ多く跳べるかを競うのである。

間もなく、ぐるぐると赤い縄が回っていく
ハイハイハイというみんなの掛け声で、人が八の字を描きながら縄を跳んでいく。
本気を出していないのか、みんな笑顔だ。

そんな中私は既に息を切らしていた。
ここまで走ってきたのと、最近運動を全くしてないせいでバテていた。


ピョンっ
とひと跳びする
瞬間、ポロっと何かが私のポケットの中からこぼれ落ちた。

「あ」


私は、何か落ちたのに気がつき、縄の回っている中を見ると、そこにはオレンジ色のシャーペンが落ちていた。
教室に戻しに行く時間がなかったので、ポケットにいれたままだったのだ。

「やばいやばいやばいっどうしよ、シャーペン落とした」
友達に、必死になって説明したが。縄はくるくる回り続ける。
友達と半笑いで焦っていると。


ひょいっと大きな手が、それを掴みあげた
小さな歓声があがった

「ハハハハっ拾っちまった」



遼哉が跳びながら、拾ったのだった。
まわりが
すごい だの
うける だの
騒いでいる中、私はポカンとしていた


そういうところも、
好きなんだよ・・・・・。/////

何回かひっかかったが、無事3分間跳んだ。
その後に、遼哉からシャーペンを受け取った。
そのときも、これといった話はしなかったが、
私はうれしすぎて、嬉しすぎて・・・・。とにかく嬉しかった