”あの場所”─・・・。
そう、学校の屋上のことだ。
私は涙を拭いながら、学校に向かい、屋上への階段を上る。
「着いた─・・・着いたよ・・・朝飛・・・。」
夕焼けの空を見上げる。
とても綺麗で、カラスが二匹フワフワと飛んでいた。
その二匹のカラスは、一匹が一匹を追うような感じで飛んでいる。
まるで・・・私と朝飛みたいに。
「朝飛・・・私たち、また会えるのかなぁ・・・?」
夕焼けの空を見上げながら、私はつぶやく。
そして、独りでこっそり泣いた。
泣いて泣いて泣いて泣いて・・・体の中にある全ての水分を出すように、私は泣いたんだ。