「玲~♪ 明日どっか行こうぜぃ★」
「ダメ」
私は朝飛の体のことで頭がいっぱいだった。
「朝飛は安静にしてないとダメなの。 だから行かない」
「ケチー!」
私だって・・・行きたいよ。
朝飛と行きたいところはまだまだたくさんある。
海・・・ゲームセンター・・・思い出の屋上・・・・。
ありすぎで数え切れないほど。
「お前さ、俺がガンだからって遠慮してね? 行きたいところは連れて行くし、お前の頼んだこと、やってやるのに」
「じゃあ・・・1つ頼みごとしていい?」
「どうぞ♪」
「安静にしてて。 あまり暴れないで」
「・・・それだけ?」
「うん。以上」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「あれ? お願い聞いてくれるんじゃなかったっけ?」
「・・・はぁ~い」

何だか朝飛が可愛い・・・。
弟みたい。
こんな風に話せるのも、限られた時間なのかなぁ?




このとき、私は気づいていなかった。
君が君でなくなっていく本当の日が

近づいてきているのを─。