「花穂。あの人誰だか知ってんの??」 帰り道、ずっと黙っていた爽香がくちを開いた。 「柴田裕李。学年は2年。赤学年だったから。なに?あいつがどうかしたの??」 何にも知らないんだね。と大袈裟に肩を落とした。 「あの人うちの学校の生徒会長だよ??朝会で何度も見ているはずだけど…。分からない??」 …分からない。 朝会なんて中学に入ってから一度も出ていない。