げッ…こいつかよ…。 声を掛けてきた人物は裕李だった。 「どぉも…。」 爽香がなになにっ!?知り合いっと 首を突っ込んで来るのを手で制すると、 「先輩、今日はどんなご用件ですか?」 「いやなに。あんたを心配してやってんだよ。」 優しく微笑んだその顔は、どこ寂しそうだった。 「その事ならご心配なく。あたしはこの通り元気ですから。」 それじゃあ失礼します。と横を通り過ぎようとすると、 「あんた、忘れ物だよ。」 そういってポケットからケータイを出した。