「で、どした?」私と聖矢は廊下で話していた。
「明日ね、」
「あー悟史とバスケするんだろ」聖矢はパンを食べながら言ってきた。
「悟史?」私は聖矢が悟史と呼ぶことに不思議を感じた。
「あんな、」聖矢は黙っててごめんと言わんばかりの顔をしている。
「悟史な、葬式が終わってから光のことずっと心配しててな、俺を訪ねてきた」
「悟史くんが?」
外で野球部がバッティング練習をしている。その姿を見ながら聖矢は頷いた。
「大上が死んだこと光が自分のせいで死んだと思ってるんじゃないかって」悟史くん…。
「だから週に一回、悟史と会ったり電話したりしてたんだ。ごめんな、黙ってて。悟史が黙っててほしいって言うから」私は首を振った。本当に優しい人なんだ。
「悟史くん優しいね。私のことこんなにも心配してくれるなんて」
「うん。すっげえ優しい奴だよ。光のこと言ったらな、あいつよかったって毎回安心してたよ」
「そっか」
「だけど、今悩んでんだろ?バスケのこと」
聖矢は相変わらず野球部の練習を見ている。


