「よし、じゃあ土曜日の夜バスケしよ!!」悟史くんが立ち上がったので私も立ち上がった。
悟史くんはバイクを手で押しながら私を家まで送ってくれた。
その帰り道、悟史くんは他愛ない話をしてバスケの話には触れて来なかった。
「ありがとう、悟史くん」
「いいえ。どういたしまして」
「悟史くんの黒髪似合ってるよ」
拓真が散々言ってきた黒髪。悟史くんの髪の毛は葬式のときと変わらず真っ黒だ。
「まじで!?嬉しいわ」
拓真、見える?
悟史くん髪の毛、真っ黒なんだよ。
拓真がずっと言ってきた黒髪だよ。
「じゃあ、明後日ね」悟史くんはバイバイを言ってバイクで帰っていった。


