「たーくーま」私は拓真の大好きだったお菓子を石段の上に並べた。
「拓真、私どうしたんだろう。急にバスケが怖くなったの。私らしくないよね。拓真だったらどうするの?ねえ、拓真。」
『俺はバスケする』
私は一度拓真に聞いたことがあった。
―――「拓真はバスケで悩んだらどぉするの?」
「俺はバスケする」
「バスケで悩んでるのに?!」
「うん。だってどこが悪いのか、何がダメだったって分かるのはやっぱやらないと分からないじゃん」
「怖くないの?」
「何が怖いんだよ」
「分かんないけど…」
「好きだからバスケやってんだろ?じゃあひたすらやってやったらいいじゃん。俺はやってやるけどな」
そう言って拓真は笑っていた。


