「光、あっついね!!」私の親友の美優は隣でTシャツをパタパタさせている。

「汗…」美優の汗はとてもきれいで輝いていた。

「汗?汗がどうかしたの?」
「ううん…何もない」隣にいる美優。なのに急に遠くなった気がした。

「10分後体育館集合!」どでかい声を出しているのは顧問の三城先生だ。

誰よりもバスケを愛し、生徒のことを一番に考えてくれる先生。

厳しい人だけど私はとても尊敬している。
だけど、そんな先生の声も今日は雑音に聞こえる。

「光、行くよ」少し先で私を待っている美優がいる。

「あ、うん」今日は急にどぉしたんだろう。自分が自分じゃないみたいで怖い。

体育館に行くとタイマーが置いてあった。これはきっと試合だ…。