「まあ、いいけど」と、少し偉そうに言う千夏ちゃん。 けど、それはただの照れだったんだよね。 本当に嬉しかった。 「聖矢、多分屋上にいるよ」 「ありがとう、千夏ちゃん」 千夏ちゃんは最後、私に笑ってくれた。 私は笑顔のまま屋上に向かった。 聖矢は空を見ていた。 『お前のせいだと思うな』 あの大きな手で私の体を抱き締めてくれた聖矢。 今はまだこのことに向き合うことができなかった。 誰のせいでもないと言ってくれた聖矢が自分自身を攻めていたなんて…。 でも今の私は… 拓真は本当に死んだの?