「美優、声かけて。時間だよ」先輩の声がかかる。 「みんな、いくよ。並んで」 さっきの美優からは信じられないが、美優はキャプテンなのだ。 先輩たちはまだ引退していないけれど、美優にキャプテンが譲り受けたのだ。代々、私たちの部活はインターハイの予選が終わると同時に次のキャプテンを決める。 頼りなく見えるけど、バスケの練習になると真剣な顔になり、みんなの頼れるキャプテンに変わる。 そんな美優を私は一番、頼りにしている。