____あれから6年の月日が流れた。

時間とは早いもので私は24歳になっていた。私はなりたい職に就き毎日頑張っている。

聖矢と連絡はとっていない。最初の頃は手紙交換をしていたけれど1年も立てば数も減っていき2年も立てば0枚になっていた。

6年立った今でも一度も帰ってこない彼。

自然に私たちの関係も薄れていく中でも私は彼を忘れることは一度もなかった。

でも、私はスポーツニュースを避け続けた。

スポーツニュースを見れば彼の話題がたくさん出ていて悲しくなってしまうから。

絶対戻ってくるという言葉を信じて6年。最近はもう帰ってこないのではないかと思っていた。

CAになったとき、もしかしたら空港でばったり会うことがあるのかもしれないと、淡い期待も寄せていた。

この職業に就いたのは彼に会う可能性が高くなるだった。でもそんな期待も全く叶わなかった。

「よしっ!」隣でやたらはりきっているのは専門学校からの同期でもある、伊坂沙織(イサカサオリ)。

「なーにはりきってんのよっ」私は沙織のおでこを軽くデコピンする。

「もうすぐ春だよ、春っ」
「春がどうしたの?」
「出会いの季節よ、で・あ・い!」
「それが?」仕事が終わりロッカーへ戻る道のりをどうでもいい会話をする。