「ありがとう、知くん」私は知くんの手を握る。
「おう、じゃあ終わったら電話しろよ」知くんは私の頭を少し撫でて歩いていった。
「優しいな、彼氏さん」悟史くんは知くんを見て笑顔でそう呟いた。
「うん」私も笑顔で悟史くんに返事をした。
「適当に歩こうか」
「うん」私達は並んで道を歩いた。
「聖矢と別れたの知ってるよね?」私は悟史くんに尋ねてみた。
「うん、別れたその日に俺んとこ来た」少し笑う悟史くん。
「そっか」
「光ちゃん…あいつのこと許してやって」悟史くんは悲しそうに話す。私は辛くなった。
「最初から怒ってないよ。私が堪えられなかったから。私、いつまでも待ってる自信なかったの」
「聖矢、言おう言おうってずっと言ってたんだ。ただアメリカ行きを伝えて光ちゃんが離れてしまうのが怖かったんだと思う」
聖矢の泣き顔を思い出す。あの時の聖矢は聖矢じゃないようだった。


