そして私は聖矢と一番よく過ごした屋上に向かった。あまり使われていない屋上。

聖矢を意識しはじめた場所がここだ。2人で朝、ミルクティーを飲みながら話したな。

聖矢と付き合ってるときはこの屋上は2人の場所のようなものだった。

お昼ご飯を食べたり、2人で笑ったり、キスをしたり、抱きしめあったり…

懐かしくて仕方ない。
2人が腰かけていた段差に座ってみる。

隣に聖矢が居るような気がする。


ヤバい……涙が止まらない。制服が涙で濡れていく。

「うっ…せい…っや」

まだ好きなんだと実感する。だってまだ聖矢のぬくもりを覚えてる。聖矢の臭いだって覚えてる。

聖矢は居ないのに聖矢の臭いがするの。