次の日、学校に行ってみんなに報告した。

美優が一番喜んでいた。彼女に付き合ったよと報告すると目をうるうるさせながら抱きついてきた。

昨日居た子たちにも報告したら喜んでくれた。

楽しく学校生活を送っているうちに私達は卒業が近くなり授業が終わってしまった。

私は、授業最後の日、1人で学校探検をしていた。

たくさんの思い出が詰まっているこの校舎で思い出に浸りたかった。

校舎にはもう誰も居なくてとても静かだ。その雰囲気でなぜか涙が出そうになる。

最初は高校1年の時の教室に向かった。ここに来るのは2年ぶりだ。

誰も居ないはずなのにみんなが居るような感じがする。

ポタ…ポタ…

廊下に自分の涙が落ちた。「拓真…」拓真との思い出がいっぱい蘇ってくる。

『光〜国語の教科書貸してー』

『また忘れたの?』

廊下からよく拓真が私の名前を呼んできたなぁ。
廊下ですれ違う時も絶対に言葉を交わした。