「えっ!?ヤバい?!本間に変な人!?」
「知くん、そんなに必死にならんでも」
知くんも私も、友達もみんな笑っていた。
「知哉さんは大阪の人ですか?」1人の友達が知くんに尋ねる。
「せやねん!ばりばりの大阪人やで。あんな、大阪はな、……………」
知くんはその質問に嬉しそうに答える。ここからお喋り大会が始まってしまった。
知くんは友達に笑顔を向けていて。私は友達に嫉妬してしまった。
いつもは2人やのに、今日は友達にいっぱい喋ってる。何か嫌。
「……かるっ!光っ!」
「えっ」横を見れば親友の美優の顔。
「何、睨んでるの?」率直に尋ねてくる美優。
「私、睨んでた?」
「うん」
笑顔で楽しそうに聞いてくる親友。きっと美優には気持ちがバレている。
前から知くんの話はしてたし、もちろん聖矢の話も一応知っている。
美優は聖矢のことに関して何も言わなかった。泣きながら話す私の頭を撫でていただけ。
美優は何を言えばいいのか分からなかったのだろう。そんな美優の思いも私には伝わっていた。
美優は何でも分かっているから。やっぱりずっと一緒に居た親友には何も隠せない。


