名前を呼ぶ声がして後ろを振り向くと耀太の姿。
「耀太っ」
よっ!と呑気に手をあげながら近寄ってくる耀太。耀太は聖矢の隣のクラスだ。
「で、どうした?」私はもじもじしながら耀太に話した。
「せ、聖矢と話したくてっ。私が振ったけどやっぱり好きなんだ。だから聖矢と話したいんだ」
「あぁ……」耀太は気まずそうに私の顔を見る。
「何?」
「まだ噂とか回ってないか…」
噂?噂って何のこと?
「噂って?」
耀太は私に話すことを迷っているのか考えている仕草をとる。
「んー…多分、光傷つく」
「何よ、黙ってたら分からない」もしかしたら聖矢は新しい彼女が出来たのかもしれないと思った。
「あいつ、もうアメリカ行ったんだ」
頭をかきながら苦笑いをして話す耀太。
私は手に持っていた手提げかばんを床に落としてしまった。


