聖なる光【完結】


その何日か後くらいから急に聖矢は職員室に呼び出される回数が増えた。

教室で友達と話しているときも聖矢の名前を呼ぶ放送が流れる。

聖矢にそのことを聞いてもいつも濁されていた。だから嫌な予感がしたんだ。

あの知らない外国人と女の人を思い出す。あの思いはいつの間にかなくなっていたのに再び私の心を苦しめる。

その日も昼休み、聖矢は放送で呼び出されていた。

今日は何があっても聞いてやる。そんな気持ちで放課後になると急いで聖矢のクラスに向かった。

聖矢の姿はなくてキョロキョロしていると聖矢と仲のよい男の子が私に話しかけてくれた。

「光ちゃん…?」私はその子に一礼した。

「あっ、俺竹本」

「うん、知ってるよ」

「知ってたんだ!」

「聖矢の話でよく出てくるから」

竹本くんとなぜか話し込んでしまい、本来の目的を忘れるとこだった。

「あっ、そうだ」話の途中で思い出した私。

「どうしたの?」

「聖矢ってどこ行った?」

「あっ、だからクラス来たんだね」ごめん、ごめんと言いながら答えてくれた。