いつの間にか教室には誰も居なくて廊下からも声が聞こえないので誰もこの階には居ないのだろう。
丸つけをしようとしたときだった前の席が動く音がしたので美優だと思い声をかけた。
「美優、いつまで耀太と…」顔をあげると美優ではなく、聖矢の姿だった。
「俺、美優ちゃんじゃないけど」聖矢は少し笑ってペットボトルのお茶を飲んでいた。
びっくりして手からシャーペンが落ちてしまった。
「ご、ごめん。てっきり美優だと…」
「いいよ。何してんの?」
「宿題」
「ふーん。偉いな」
「聖矢、部活は?」
「あるよ。6時間目爆睡してたみたいで、みんな起こしてくれてたみたいだけど起きなかったみたい」笑いながら紙を一枚見せてきた。
゙ばーか。聖矢、寝すぎなんだよ!!゙
一言書いてあった。
「今日早く来たからだね。ごめんね、私のせいで」
「違うってっ俺、常に寝てるから。じゃあちょっとやばいから行くわ」そう言って席を立った。
「頑張ってねっ」
「あぁ」
聖矢は教室から出ていった。
私はふと思い出したように席を立った。


