「惚れんなよ。」そう言って私を引き寄せる。
「惚れたら聖矢に殺されるっちゅーに」奈良の人がそう言うとみんなが笑う。
私は最初怖かったけどちょっと話してみると楽しかったし、みんないい人だった。
奈良の人が最後に私に言ってきた。
「光ちゃん、こいつばけもんやで」
私はえっ?という顔をしながら見つめる。
「お前よぉー予選から10秒53はないわ」違う人が聖矢に言う。
「俺はちゃんと流したわ」
「やっぱばけもんや」
「ホントやね」やっぱり聖矢はすごいんだ。
「ばけもんってひどいから」苦笑いで聖矢は周りに言う。
「まぁ、今年の優勝は聖矢が確実やろーね」
「高校記録目指さないとな」みんな言いたい放題。
「俺は絶対気ー抜かねぇ。何があるか分からないしな…もちろん高校記録越えれたら嬉しいけどな」聖矢は荷物の中からペットボトルを出して飲んでいる。
「まぁ、決勝で会おうぜ。俺ら、行くわ」聖矢は私の手を引っ張る。


