「ありがとう、聖矢。でも何で?」
「んー一年記念もあるけど…光に誓うために」
私は何のこと?というように首をかしげた。
すると聖矢は私の耳元で小さくこう言った。
「いつか左の薬指に指輪つけれる日まで待っててほしい」私はにやけてしまった。
私も聖矢の耳元で尋ねる。
「それってプロポーズ?」
「それ以外何があんだよ。俺、絶対今日優勝するから優勝したら返事聞かせてな」
そう言って颯爽とスタンドから去っていった。
隣の人が両方、高校生じゃなくてよかったとまず安心した。
「ギザな男だな…」独り言をはきながら右手にはめられた指輪を見つめる。


