もちろん誰も居ない。
「あの……」キッチンにいるおばさんに声をかける。
「はいはい」私の方に寄ってくる1人のおばさん。
「私、早く起きたんで何か手伝います」
「あら、嬉しいわ。じゃあ、こっちにあるおぼん並べていってくれる?」おばさんは仕事をくれた。
「はい!!」おばさんは私と一緒におぼんを並べはじめた。
「昨日、中谷くんといた子よね??」おばさんが尋ねてくる。
「あ、はい。聖矢のこと知ってるんですか?」
「合宿で今年の春に来てくれてね。私達と話す時間があってね」おばさんは笑顔で話していた。
「あの子、いつも美味しそうに食べてくれるし声かけてくれるから食堂では評判だったのよ」男前だしねと最後に付け加えた。
私はおばさんの話に笑ってしまった。


