「光、わりぃ。用事できた。俺、先行くわ」
「うん、」
もう終わりなのかな?
聖矢とこうやって話すの最後なのかな…。
聖矢。私、欲張りだね。
聖矢がかばんを持ち屋上から出ていこうとする。
するとぼーっとしていた私の目の前に聖矢の顔があった。
「ミルクティーありがとな。俺の大好物なんだ」
そう言って昨日みたいに頭を撫でてくれた。
ドキドキとチクチクが重なっていた。
私が頷く前に聖矢は立ってドアの方に歩いていった。
ドアの開く音が聞こえた。「光、」
ドアの方から聖矢の声が。
私は顔をあげてドアの方に顔を向けた。
「また、ここで話そうな」
「えっ?」
「だから、また2人で話そうな」
また会えるんだ…。
終わりじゃないんだ。
聖矢、?
私、まだあなたに出会って2日も立ってないけど、すごく好きみたい。
あなたがすごく好きみたい。
「うん」
「じゃ、またな」
聖矢は笑顔で出ていった。


