「ファイトー」「ハイ」「ハイ」「ハイ」「ハーイ」

体育館では私達の掛け声が聞こえる。
体育館の二階の窓からピンク色の花びらがはいってきた。

そう、春がやってきた。
この高校で迎える三度目の春が。

「一年、ボール運んで」
美優のしっかりとした声も響く。

「一年、結構入ったよね」
加代のぼやきに私達は頷く。

部員は現在46名。新入部員はまさかの25名。私達、2、3年を合わせてもその人数には届かない。

「何で急にこんな入ってきたんだろうね」
「そりゃあ、私達が全国大会出場候補だからでしょ」美優が自慢気に答える。

「まあ、そうだろうね」
確かに私達は今年の全国大会出場候補だ。

「でもここから何人やめるかだね」
「うん、」
「それにしても陸上部はもっとやばいね」

陸上部のところには新入部員で溢れかえっている。

「聖矢くん目当てだろうけど」
「光、ちゃんと掴まえてないとね」
加代が私に強くいう。

「大丈夫、大丈夫!!聖矢くんはどんなに可愛い子が現れても光しか見てないって」

だけどね、だけど。
女の子のところじゃなくて違うところに行ってしまわないか心配なの。

聖矢、ずっと側にいてほしいの。