「ストップ」
聖矢に止められてストップした私。
「あっ、目開けてていいよ」聖矢に言われて目を開いた。前には聖矢がいて、いつも通る廊下だった。
「光、ちょっと待ってて」
私は軽く頷いた。
「あっ、いいとこに川崎じゃん」
聖矢は下から登ってくる川崎くんという人に声をかけた。
川崎くんは聖矢に声をかけられ嬉しそうにこっちに駆け寄ってきた。
「中谷先輩っ」私は一瞬でこの川崎くんが聖矢を好いていると分かった。
「よっ」
聖矢は川崎くんの肩に手を置いた。
「俺、ちょっと一瞬行かないといけないとこあるから川崎、その間、光の相手しててよ」
「えっ、俺っすか?」
聖矢がニコっと笑いながら頷く。
「あっ、はい!」川崎くんは聖矢に大きな声で返事した。
「じゃあ、光、川崎と喋ってて」
聖矢に話す隙間もなく聖矢は走っていった。
「先輩って、中谷先輩の彼女ですよね?」
川崎くんは聖矢に言われたように私の相手をしてくれる。
「うん。川崎くん、聖矢のこと好きでしょ?」
「えっ!?いや、好きですけど、先輩たちみたいなそういう好きとかじゃなくて」
川崎くんがあまりにも必死に説明してくるので笑ってしまった。
「あっ、すみません!!」
「違うよ、あまりにも一生懸命に否定するから笑っちゃった。先輩として好いていることくらい分かるよ」
「そうですよね」川崎くんも笑っていた。


