家と家の間からほのかな日差しが見える。

少し眩しい道を歩きながら私たち3人は話し込んでいた。

今日は珍しく部活がなかったので加代の提案でご飯を食べにいくことになった。

「あっ、あれ聖矢くんじゃない!?」美優が長い行列を指さす。

陸上部は冬になると長距離の練習が始まるようだ。
聖矢は一番後ろでみんなを励ますように声を出しながら走っている。

そんな姿を見るとやっぱり顔がにやけてしまう。

「にやけんなよ〜」佳代に指で突っつかれる。
「うるさいなっ」
「うわっ、鬼が怒った」
美優の発言にクスクス笑う加代。

「み・ゆ?」私が睨むとさらに楽しそうにする美優。

美優が少し小走りで走っていった。

「せーやくーん」何を言い出すと思えば。聖矢の名前。

「ちょ、美優!」私は慌てて美優のとこまで走る。

聖矢は美優の声を聞いて、振り向き大袈裟に手を振ってくれた。