「はい、」前から大きな手が出てきた。
「えっ?」ふと、顔をあげると今日、三浦先輩がキレたあのクールな男の子だった。
あの時とは違う優しい表情で声をかけてきた。
「大丈夫?」
「あ、はい。」そう言いながら私は差し出してくれた手のひらに自分の手をのせた。
「ありがとうございます」なぜか分からないけど口が固くなり敬語になってしまう。
ふっと笑う声が聞こえてそちらを見るとあのクールボーイが笑っている。
私は目が点になる。あの、怖い鋭い目をしていた彼が私の前で笑っている。
「想像してたのと全然違う」急にそんなことを言うから私は変な声を出してしまった。「ふぇあ?!」


