「次、光ちゃん」そう言って悟史くんは私にボールを渡した。
何で…。どうしてこんなに上手なの。
下手したら拓真よりも上手い。大丈夫…。気のせいだ。
攻めなら拓真に何度も勝ったことがある。
私は悟史くんに合図を出し、ゴールへ走った。
いける、いける!
もう少しだ…。あと1メートル…。
そう思ってボールを上にあげようとした…。
「あれ…ボール…」私の手元にはすでにボールはなかった。
悟史くんは苦笑いをして私に近づいてきた。
ダメだ…。悟史くんに勝たないとこの壁は乗り越えれそうにない。
「悟史くん、もっかい!!」
私はそう言って悟史くんにボールを渡した。
「あっ、うん」悟史くんは何か言いたそうな顔をしたが、黙ってボールを受け取った。
大丈夫。さっきはまだ調子が上がってないだけ。
「行くよ?」悟史くんは私に合図を出した。私は頷いた。
『光も上手だよ。ただ光は何か足りないんだよ』
『何かって?』
『さあ〜そういうもんは自分で見つけるんだよ』
私に足りないもの…。
私はこの足りないものに制御されてる気がする。
私に足りないものって何なの…


