10分ほど自転車を漕ぎ、拓真と過ごしたこの場所にやってきた。
高校1年の初めに拓真と久しぶりにここで練習した以来だった。
すごく居心地がよくて拓真が何気ない顔で現れるんじゃないかと思うくらいに懐かしい匂いがした。
「光?」聖矢はびくともしない私を見つめてきた。
「あっ、何でもない」私は自転車を聖矢の隣にとめた。
バスケットゴールの下にはジャージ姿の悟史くんがいた。悟史くんは私達に気付いて声をかけてきた。
「よっ!」笑顔で右手を挙げる悟史くん。
「悟史くん、バイトだったんでしょ?しんどくない?」私は心配だったので恐る恐る聞いた。
「ぜーんぜん。早く光ちゃんとバスケしたかったし」そういってくれて安心した。
「そっか。ならよかった」
悟史くんはドリブルをつきはじめた。


