頭をタオルで拭きながら聖矢は話しかけてきた。
「何か、聞かれた?」
ここは黙っとくのが一番と判断してすぐに否定した。
「何にも」
「ふーん」
興味なさそうな返事。ただ私に気を遣ったのかなと思った。
聖矢の部屋に入るのは5回目くらいだ。
聖矢は顔によらず意外と映画を見るのが好きで今日何本の映画を見るのか分からないが1本見るとしたら10本目になる。
聖矢の映画のセンスはとてもいい。
いや、センスじゃなくて聖矢が選んでくる映画が私にはあっているのだ。
「今日は何の映画見るの?」部屋に入り私は尋ねた。
「今日はこれ見る」
そう言ってテレビの電源をつけながら私に見せてくる犬の絵が書いてあるDVD。


