「さよなら、あたし帰る。二人で思い出にひたってて。邪魔しないからさ」



葵はタオルを松井に渡すと、踵を返して玄関い向かって歩き出した。



「また、来いよ。お茶ならいつでもいれてやるからな」



背中で松井の明るい声がした。