ピュバティ ブルー



「私はこんな身体なんだ。父親らしいことなどなにひとつしてやれない」



二階堂は右手に持っていた杖でズボンの上から両足をたたいた。金属音がした。
両足は膝の下から義足だった。そして左腕はひじから下がなかった。



「それほどひどい事故だったんだよ。塞いでいる私の心を開いてくれたのが真理子だった。リハビリに耐えられたのは彼女のおかげだ。自宅に執務室を置き業務命令は全てここで行い、外とのコンタクトは全て側近にさせていた私は、いつしか怪物のような逸話を生み出してしまったようだが、それはそれで仕事の役にたったよ。
朝美が君を連れてきたときイスにふんぞりかえってたのも身体を見破られないためだ。
仕事も直接教えてやりたかったが、やはりこの身体ではと側近に任せた。
君の絵の才能が開花したときは金沢の君のご両親のお墓に川村君が報告に行ってくれたよ」



「申し訳ありませんでした」


松井は心から詫びた。