「ちくしょーっ」
松井の声に、葵に抑えられていたフライデーがするりと彼女の腕を抜けて駆け出した。
「フライデーか、どこに隠れていたんんだ?」
松井はフライデーの後ろでたたずんでいる葵を見た。
「いたのか。じゃあ聞いたんだな、俺と彼女の会話」
松井は観念したように言った。
「多摩川で出逢ったのは・・・」
葵が消え入りそうな声で言った。
「お前のテリトリーに網を張っていた。偶然じゃない。常に近くで監視していたよ。お前が新潟から上京してきて夜フラつきはじめたあたりからだ」
「・・・あんたとアイツの関係を教えて。こうなったら隠さないで」
葵がテーブルに腰をかけると、松井は柱に寄りかかって話を始めた。



