「社長は、葵お嬢様のためだけにあなたをフランスから呼び戻したのではありません。そろそろ法律の上でもキチンと養子縁組をして、会社の重要なポストにあなたを・・・」 川村の声だった。 「ふざけるな!誰が両親を殺したやつの養子なんかに。俺がヨーロッパでどんな生活をしていたか知っているだろう?どんなに放蕩を続けてもあいつの財力なんてビクともしないことは理解っていた。だから尚更俺はやりきれなかった。あの日だってあいつに呼び出されなければ、朝美は死なずに済んだんだ!」 松井は悲痛な声をあげた。