裕二の家で撮った写真を早速パソコンに落としていた。

裕二がバズーカで撮ったのは大きくて迫力のある写真だった。

「わ~凄いね~」

「よし、次は綾香のだ」

と綾香からカメラを受け取りパソコンに落としてみた。


するとそこに写ったのは…

「ほとんどが…ピ…ピンボケ…」

綾香はがっかりする。
「せっかく一生懸命撮ったのに…」

落ち込む綾香に裕二は

「あ、でも見れるのもあるぞ。このパンダはいいよ」

と焦ってフォローする。

「ホント?」

綾香がディスプレイを覗き込む。
そこにはパンダが笹を食べているところが綺麗に写っていた。

「良かった~」

途端にご機嫌になった綾香に裕二はプッと笑う。

「で、綾香」
「ん?」

ディスプレイを指して言った。


「これ、俺?」


はっそうだ!こっそり撮ったんだった!

「えへへ。それ印刷して~」

悪びれもせずにいう綾香に裕二はまたプッと笑った。

「だって裕二君の写真って無いんだもの」

その言葉に裕二がびっくりする。

「ええ?そうだっけ?」

「うん、二人のもないよ。裕二君の写真欲しかったんだ」

その言葉に裕二は赤くなる。

相変わらず無心でこういうこと言うから困るなぁ…。