仕事中も裕二から電話があるかもと、落ち着かない。
仕事終わってソッコーでかけた。

「もしもし、裕二君?」
「うん、どうした?」

「あの…かをりちゃんを怒らないでね」
「うん。分ってる。大丈夫だよ」

「で……どうだった?」
しばらくの間のあと
「大丈夫だと思う。」

「ホント?」パッと声が弾む。

「…ああ」
綾香は裕二の声が落ち込んでいることに気付かなかった。

電話を切り、ホッと一安心する。

良かった〜裕二君はやっぱりセンセだから上手くできるんだな。
やっぱり凄いや。
ご機嫌で就寝した。


あくる日。
仕事に行こうと綾香が家をでた。


するとかをりが綾香の前に立ちふさがった。
「かをりちゃん!どうしたの〜?こんな朝早く…」
と言う前にかをりが土下座をした。

「ちょ……かをりちゃん」
慌てて立たせようとするが動かない。

「申し訳…ありませんでした」


綾香は慌てた。
「いいのよ、その事は気にしてないし……」

と、言った所で前にある公園の中でそれを監視している女生徒がいる。

綾香が気付いたのを気付いたのかこちらに歩いてくる。

「ちゃんと謝った?」

「え…うん。でも謝る事ないのよ」
慌てて綾香が言う。

すると1人がいらつきながら言う。
「裕ちゃん先生も彼女さんもなんでかばうの?」
「へっ?」

「昨日裕ちゃん先生が自分の不注意だったって頭さげてさ、こいつの為にだよ?」
「そうよ、あれは事故だったんだし……」

相手の生徒は険しい顔になる。
「何でこいつだけ特別なの?」
綾香は慌てる。
「いや、特別してる訳じゃなくて実際そうだったからよ。」

それを聞いて無言で立ち去って行った。

まだ終わってない。

それだけは分った。