トイレから出ると壁にもたれて立つ悠斗がいた


「どうしたの?」


「あのさぁ…このまま2人ででねぇ?」


「えっでも鞄もあるし…理沙達に言わなきゃだし」


「鞄はここだ…あいつらにも言ってある」


そう言って肩に引っ掛けたあたしの鞄を「んっ」と見せるとそのまま歩き出した


「あっちょっと待ってよ」


あたしは忙しいで駆け寄った


「ありがとうごさいました~」


カラオケを出ると悠斗はどこに行くとも言わず歩き出した


外はもう日が落ちすっかり暗くなっていた


無言でずんずん歩く悠斗に必死でついて行く


着いた先は駅だった


「お前酷い顔してた…帰った方がいい送る」


「えっ…」


ぱっと悠斗を見ると照れて頭をポリポリとかいていた


「いいよっそんなの悪い…」


「悪くなんかねぇしほらっ行くぞ…」


グイッとあたしの手をとって歩き出した


ピタリと止まり首をかしげてあたしを見る


「…てか家どこだ?」