「千紗ー」


真子と莉子が駆け寄ってあたしを抱きしめる


「ごめんね…あたし達のせいで…本当にごめんね」


2人は涙を流しながら「ごめんね」を繰り返していた


あたしはぎゅっと抱き締め返し2人に微笑んだ


少し離れて立っていた彼らに悠斗は近寄り


「さらってやろうと思ったけど俺じゃダメみてぇだな…でも泣かせたら次は無いぜ」


それだけ言うと黙って行ってしまった


「悠斗ーありがとー」


あたしは力一杯叫んだ


振り返らず片手をスッと上げ何も言わず立ち去る


彼の優しさに救われた


後ろ姿に心の中で思う


「本当にありがとう」と…