暫く無言で俯いていたあたしに不意に悠斗が問い掛ける


「今お前は誰の顔が一番に頭に浮かぶ…?そいつが答えだと俺は思うぜ」


あたしはゆっくり顔をあげ海を眺めて思い浮かべてみる


ふと思い浮かんだのはあの人の顔


そして温もり…


悠斗の言葉によって気付かされた自分の思い


知らず知らずあたしの心を支配していたあの人…


このもやもやの原因はきっと


"嫉妬"


「あたしわかったかも…自分の気持ち」


「そうか…まぁ相談くらいのってやるから」


「ありがと」


ふっと笑い立ち上がった


「お出ましだぜ」


悠斗の視線の先に彼らはいた…真っ直ぐにこちらを見つめて