「…うん」

「お前をそんなに寝込ませるなんて……相当しぶとい風邪だな」

「……一回地獄を見てこい、馬鹿伸也」

真顔で言ってきた伸也に呀江は笑顔で言った

だが呀江のその顔を見た瞬間、亜芽の顔が歪んだ

「…呀江、保健室でもうちょい休んできたら?」

「……え?」

呀江は亜芽の言葉に固まった

「……なんで?」

「いつもよりツッコミの勢いがないし、笑顔も無理やり作ってる……まだ、疲れてるんでしょ?」

苦笑いをしながら亜芽は言った

「そ、そんなこと…」

「ない…なんて言わせねぇよ、俺らを騙せると思ったか?」

「何年あんたの親友やってると思ってんのよ」

「無理してるなんてこと、サラッとお見通しだぜ!」

偉そうに笑う伸也とそんな伸也に呆れた顔をしている亜芽を呀江は交互に見た

そして困ったように笑った

「やっぱ騙せなかったかー…しょうがないから、お言葉に甘えて休んでくるね」

「先生にはあたしから言っておくからね」

「お前はゆっくり休んどけよ」

「うん…ありがとう亜芽、伸也」

笑顔で親指を立てた亜芽と伸也に呀江は可笑しそうに笑って

教室を出た