「あ………」

それを見た呀江はその場に崩れ落ちた

「…………」

白猫は少しだけ呀江を見てから

踵を返し歩き出した

「…………て」

「………?」

白猫は足を止め振り返って呀江を見た

「………して」

「………」

白猫は静かに呀江に近づいた

「……返してよ」

「………」

「…私のお姉ちゃん、返してよぉ」

呀江は泣き出した

「うぅ……っ」

「………」

「…どうする、白猫様?」

無言でいる白猫に、双樹は問いかけた

「……おい、小童、今の記憶を消すのと、このまま姉を失った記憶を持ちながら苦むか…どちらがいい」

「っ……お姉ちゃん……っく」

白猫が問うも

呀江は白猫の問いに答えず泣いたままだ

「………ハァ」

白猫はめんどくさそうに溜め息をついて

呀江の顎を掴み顔を持ち上げた