「……何か用か?」

「…最後に一つだけお願いがあるの」

白猫は目をぱちくりさせた

「私と硅さんを誰も知らない静かな場所に連れて行って」

「……小生が叶えられる望みは一つまでだ」

「お願い…私、硅さんとずっと……いつまでも暮らしていたいの…だからっ」

紫奈は必死に訴えた

白猫はしばらく紫奈を見つめていたが

ニヤリと嫌な笑みを浮かべた

「…仕方がない、叶えてやろう」

「本当!?」

「あぁ、そやつが生き返っていることで小生の名前が死神に変わりそうだからな」

「よかった……硅さん、私たちずっと一緒だよ…」

紫奈は狂ったような瞳で硅を抱き締めた

「さぁ……行くがよい」

白猫がそう言うと

紫奈と硅は足元から消え始めた

「あぁ……これで私たちは…」

紫奈は幸せそうな顔で笑った

その瞬間

バンッ

屋上の扉が勢い良く開いた