眩しくなくなり紫奈が目を開けると

そこは先ほどまで自分がいた場所ではなく

自分の住むマンションの屋上だった

「あれ、白猫は……?」

紫奈が屋上を見回そうとすると

「……紫奈」

後ろから会いたくて仕方なかった

愛しい人の声が聞こえた

「っ……」

紫奈は息をのみ

溢れそうになる涙を抑えながら

勢いよく振り向いた

「……紫奈」

そこには優しく微笑む硅と白猫が立っていた

「っ硅さん!!」

紫奈は硅に飛びついた

硅は微笑んだまま紫奈を受け止めた

「……ぬしの望みは叶えた…この後どうするかはぬし次第だ」

「待って!!」

消えようとする白猫を紫奈は引き留めた