「……クス」

白猫は小さく笑った瞬間

『紫奈……』

「…硅…さん…?」

どこからか硅の声が聞こえてきた

「硅さん…どこなの硅さん?」

紫奈は必死にあたりを見回した

『紫奈…紫奈…』

「硅さん……どこなのよぉ…」

紫奈は泣き始めてしまった

「…小生に代償を渡せばすぐ会える……さぁ、どうする?」

白猫は湖の真ん中まで歩いていき

誘うように紫奈に言った

「代償は……」

紫奈は心の中で葛藤していた

だが

『紫奈……会いたい』

硅のこの言葉が聞こえた瞬間

「代償を渡すわ!!渡すから硅さんに会わせて!!」

紫奈は白猫に向かって叫んでいた

「……ぬしの望み、叶えてやろう」

その瞬間

また急に周りが眩しくなり

紫奈は目を閉じた