「プッ、アハハ、そんな簡単な条件で会わせてくれるの?」

「……それは序の口だけど…」

双樹は笑っている紫奈を無表情で見つめながら

ポツリと言った

「…へ?」

お腹をおさえて涙を拭っている紫奈には

双樹の言ったことが聞き取れなかった

「……望みのためなら、何でも出来る?」

紫奈はキョトンとした表情で双樹を見ていた

「…何でもって?」

「……大事なものを渡すこととか……出来る?」

「……大事なものって?」

紫奈は双樹に聞き返したが

双樹は目を伏せるだけで何も答えない

「………」

「………」

数秒間

二人に沈黙が降りた

だが

突然双樹が立ち上がった