「衣笠さんの家は、どこら辺?」

「あ、えっとこの先にある信号をひとつ曲がって…」

呀江は家までの道を一通り説明した

先生は聞き終えると了解と言って車を出した

「………」

しばらくして信号に差し掛かったとき

呀江はふと『白猫』の知名度はどの位なのか、と思い

先生に聞くことにした

「…先生」

「ん?なにー?」

「…先生は『白猫』って知ってます?」

呀江の言葉に先生は少し驚いたような顔をした後

急に笑い出した

「あははっ、白い猫なんて何処にでもいるじゃない!」

「いえ、そっちの白猫じゃなくて…都市伝説のほうです」

車が赤信号で止まり、車は一瞬の静寂に包まれた

「……知ってるよ、生きる都市伝説『白猫』」

「…そうですか」

先生は少し悲しそうに目を伏せた

呀江はそれをみて「ああ、この人もか」と悟った