外に出るとやっぱ帰りたくないって思って、
「やっぱ帰りたくない」
あたしは翔の服を掴んだ。
翔はあたしの方に体を向けて、
「そんなに帰りたくねぇーの?」
「うん」
だって翔が思ってる以上にお母さん怖いもん。
だから、翔の服を掴んでる手に力を入れた。
「帰りたくねぇーのはわかった」
「本当!?」
「でも、」
「でも?」
「母ちゃん心配すっだろ?だから俺優の家に泊まっていいか?」
「泊まるの?」
「あぁ」
「でもでも・・」
「ん?」
「なんで?」
「一緒に謝れば怖くないだろ」
翔は、あたしの頭をポンポンとしてくれた。