ジワッと涙が溢れて来た。

「うぅ゛~っ」

夢みたいだった。

この、付き合った場所で、プロポーズされるなんて…。

『紗羅、返事は?』

「…はぃっ」

小さく頷きながら答えると、真尋くんが側に来て

私の指に指輪をはめてくれた。

『絶対、早く一人前になるから。待ってて?』

「うん、待ってる。」


この時は、幸せいっぱいだったのに…。

まさか、私たちの未来に辛い選択があるなんて、思わなかった―…。