『なぁ、紗羅』

「へ…?」

また私を少し離して…

今度は私の左手を少し強く握った。

「…?」

そして…

『この指輪ってどうしたやつ?誰にもらった?』

ま、真尋くん…
ちょっと怒ってます…?

「あ、あのね、違うよ!?」

『何が?』

完璧、勘違いしてる…。


「これは自分で買ったの。しかも安物。」

『は…?』

「慎吾くんにね、指輪しといた方が子供いても変に見えないし…って言われて…」

『マジか…』

私がそう言って、真尋くんは少し呆れながらも

ホッとした顔を見せた。


もしかして、本当に私が結婚したと思ってたんだ…。

ダテの指輪は効果あったみたいだね…?