そして 剣道場の生徒はみんな寮に入っている。 「愛之助!」 ひょっこりお華が顔をだした。 「お華!」 「今日、おはぎ食べていいよって。買いにいこ」 「本当か!?いくいく」 お華が愛之助の手をとった。 「おい。愛之助…」 低い声───。 「あ…犬君さん!」 「犬君!剣道場を抜け出してきたんでしょ。父上にお怒りをかうよ。…愛之助いこ!」 お華は先に駆け出した。